鳥瞰図
tonpekep

空が飛んでいる
空が飛んでいるので全ての羽が浮上する
見つめることはいつだって透きとおる
見下ろせば ものの在りかはかなしい

重力の堆積が歴史で出来ているなら
ぼくらの言葉は足跡のように点々として
あちこちの道につづいている
未来も過去も今もぼくらの足跡は重なりつづけている

かなしいことをかなしいと言える動物が好きです
それは微塵子のようなプランクトンでも好きです
かなしい動きをしている動力が好きです

いっそのこと大気圏さえ越えたらいいと思います
見下ろしてしまえば空も重力も足跡もなくなり
青い丸だけ見下ろせばいい


自由詩 鳥瞰図 Copyright tonpekep 2006-01-21 19:27:10
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