現代の成人式
和泉 誠

夢に向かっていつも全力でぶつかって
色々と努力してえらいと思う
かっこいいです尊敬しますよ
俺にはできないけど

自分のやりたい事はちゃんとやって
やらなきゃいけない事もやってるのですごい
素敵ですよね憧れます
私にはできないけど

成人式でどんな大人の生き方が正しいと思うかと聞かれた答え

夢を見るのは中学生まで
高校生になったら夢を見るのはやめて現実を見なさい
昔はみんなさ
自分はこの世界の主役だと思ってたよな

目指す目標が大きすぎると
今手にしているものにさえ満足できないから
それは不幸と呼べるものだから
少しずつ小さくしてく
自分の夢を理想を
現代ではそれが大人になるということ

自分に限界を設ける
それが現代の成人式

これからは我々に守ってもらうのではなく
同じ立場に立つ頼れる仲間の一人として
一緒にこの社会を作っていこう

別にテレビなんかに映らなくてもいい
新聞なんかにコメントを載せなくてもいい
自伝を書いてそれがベストセラーにならなくてもいい

自分が今まで育ってきたこの社会
そこには愛するたくさんの人達がいて
その人達が幸せに暮らすことができて
これから生まれてくる新しい命が
自分と同じようにこの社会を素晴らしいと思えるなら

そのためなら
俺のこの命を捧げてもいい
例えこんな作業の繰り返しでも
俺が今こうすることで
この社会の経済がほんの少しだけでもよくなって
みんなが一つ幸せに近づくんだ

そう信じて疑わないラーメン屋の主人は
きっと現代では馬鹿だと言って笑われる

みんなが競って
見た目かっこいい仕事に群がり
なれなかった者を負け犬と罵り笑う

同じ社会の中で
あいつには負けないと友人達に睨みをきかせて
足をかけ足をかけられる

愛する者は自分に都合のよい奴隷で
生まれてくる命は叶えられなかった夢を叶えるための道具
生まれてきたくて生まれた訳じゃない
こんなことしたくてしてる訳じゃない

でもそうするしかない
しかたない
見てろいつか

生きる目的はいつかみんなから王と讃えられることで
それ以外は全部目標までの途中経過地点
誰もが自分の勝利の栄光ばかりを夢見て
誰かのために生きることなんかに憧れない

今はそんな時代


未詩・独白 現代の成人式 Copyright 和泉 誠 2006-01-20 15:59:14
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