見上げると雪は
maumi

雪が降りるかもしれない
そのくらい寒さで首をすくめた

今年初めての手袋をして
いつもの道 寒さを感じないよう
ゆっくりと歩く

足跡はまだつかないでいる

仕事が終わる頃には
もしかしたら降っているかもと
耳元の選曲も
雪にまつわる詞で盛り上げた

君の住む街では歩く度につく足跡
消し去る景色も
潔よいと笑っていたね

もしこの街に雪が降ったなら
君の住む街と同じ景色になるだろうか
見てる景色が近くなれば
その距離も飛び越せるかもしれない

そうしたら繋がる手は暖かく
夜になっても降り続く雪に
感謝すらするだろう

頬に冷たい感触がひとつ


見上げると綿雪
白くても直ぐに溶けていく


寂しく消える綿雪
足跡も残せずにただ

頬には雪の記憶だけ残し
君の見てる景色の記憶には
近寄らせてもくれない

今年初めての雪
背に落ちる寒さで
首をすくめた


自由詩 見上げると雪は Copyright maumi 2006-01-18 18:43:07
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