遠雷
こしごえ

絶望さえ透けていく
初夏の陽射しのもと
雲へ手をふり
永遠する未完の涙

生れ立ての傷が
鎖状さじょうに結晶し
手鞠唄てまりうたに弾む午後
幼き声の純粋にひそむ響き

恋の伝承
波立つ肌のいと白きさま
宙へ千切れん






自由詩 遠雷 Copyright こしごえ 2006-01-15 14:55:58
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