静かなバリウム
本村K

午前三時の張りついた
テレビジョンが映すのは
夢に飢えた幻
街灯は常日頃
暖房とコップ一杯の水
憂鬱の揺れ
たったヒトイキの息

デジャヴのネオンは過激さを増し
ショッキングピンクが彼を殺した

いつかの胃痛は
今更未来を掻い潜り
私の空腹をセメントで埋め尽くす
若しくは焼きついたバリウム

足を引きずり回り
雨が降らない程度に
痛みは絶えない
彼女は耐えない

私は不眠症
理解に乏しい現状を嘆く


自由詩 静かなバリウム Copyright 本村K 2006-01-15 11:28:42
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