*結晶*
かおる



暗闇の中
まっしろな雪が
舞っている

遥か彼方の高みから
白い花が舞い落ちる

音も無く
無邪気に
降り積もる雪は

やがて
世界を
ひといろに塗り込める

憶いは流れ
滔々と行く迷路のよう
どこかに嵌ったのか

この寒さに澱みは
いつの間にか凍りつき
びくともせず
やがて
凍ったため息のような
くすんだ色の雪となる

春は遠く
蕾は未だ堅い


自由詩 *結晶* Copyright かおる 2006-01-15 10:50:57
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