アライグマと石鹸
ベンジャミン




アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた

まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視界から消えた

アライグマはとても残念そうに
その小さな手のひらを見つめる
けれど

自分の手がきれになったことには
ちっとも気づいていない

   


自由詩 アライグマと石鹸 Copyright ベンジャミン 2006-01-14 22:52:28
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