乗り物
たもつ

きみは船長で
ぼくは車掌だった
二人でずっと
夕日のようなものを見ていたけれど
夕日だったのは
きっと僕たちにちがいなかった
海にも線路にも続くことのない
ロープでできた乗り物を最初に降りたのは
同じ悲しみを持たない
ぼくの方だった



自由詩 乗り物 Copyright たもつ 2006-01-14 19:08:51
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