真夜中の羊
ベンジャミン

真夜中眠れずかぞえた羊
眠ろうとするほどに増えてゆく

小さな柵をとびこえて

いつしかそれは羊ではなく
羊のようなものになって

やたらと足が長かったり
やたらと顔が大きかったり

すっかり見とれて眠れない

真夜中羊は疲れもせずに
小さな柵をとびこえる

さっきの奴は着地でこけた
今度の奴とは目が合った

そんなことはどうでもいい
僕はただただ眠りたい

軽々柵をとびこえる
妙技に感心してる場合じゃない

ふと見れば
まるで僕みたいに無器用な奴が
とびこえられずに右往左往

仕方ないなと近寄って
そっと抱えてやろうとしたら

ようやく僕は眠りにおちた






自由詩 真夜中の羊 Copyright ベンジャミン 2006-01-14 00:43:03
notebook Home 戻る