温度
日和
我が子の繊細な横顔の
そのとりわけゆるやかな
頤
(
おとがい
)
に触れたくて
私は
そっと静かに手を伸ばす
触れたい
触れたくない
その繊細な構造を知りたいのに
やさしい
頤
(
おとがい
)
はシャボンのようにやわらかで 脆いから
私は
いつも躊躇ってしまう
近いけれど遠い
胸が熱くなる
へその緒の距離
だから
今は眠って
何も知らずに
なだらかな胸が規則的に上下している
伝わってくる 小さな手のひらの
温
(
ぬく
)
み
ああ
生きているってこういうこと
自由詩
温度
Copyright
日和
2006-01-13 19:58:13
縦