臨海イズム
こしごえ

距離にたたずむ私のこうべ
ついに飛び去ることはなく
天と地を結び
収斂しゅうれん咽下えんげしている

星々がめぐり連なる
境界
深く眠る視線は果てを知らず
広大な夢の内で声をもらし
足は遺言いごんに根差し歩を進める

飲みほされることのない雲の(雨は)
さよならに似た落下の速度に
出あい打ち寄せる重複ちょうふく
潮の流れでたゆたう海月
浮上してゆく気泡に没入する
冷めている肌の透過する魚影
おぼろに発光し
視界で震わせ窪み続ける量子

イイエ、
ハイ
有り難う




自由詩 臨海イズム Copyright こしごえ 2006-01-11 14:24:47
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