明滅する千切れた未来と、その色彩
なるせ

希望があることの無意味さに

いつしか慣れていく

そのいたみを ぼくはどこかで覚えていた

生まれながらに色をしらない この左目でとらえた

一羽の鳩のような白く優しいひかりを

きっと

どこかで手放して



握りつぶした蝶の羽には

なにが刻まれていたのだろう

その瞳は恐らく 終わりのない色彩をとらえた



生まれながらに色をしらない この左目は

いたみだけを憶えていた



きみを忘れた世界のなかで




自由詩 明滅する千切れた未来と、その色彩 Copyright なるせ 2006-01-06 00:29:27
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