雪花
落合朱美



冬枯れの老木に
花を咲かせてやりたかった

とびきりの六花をこしらえて
枝という枝に舞い降りたのに

老木は身をふるわせて
あぁ、寒い
ゾクゾクするよ と呟いた

初恋に破れた少女のように
うつむいて
はかなく消える雪の花






自由詩 雪花 Copyright 落合朱美 2006-01-03 03:00:08
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