ふゆものがたり
スイレンユキコ

一月の風が
凍りつく 窓を叩く
眠りに至らぬ 冷たい夜半
明日出て行く この部屋を
片付けても 片付けても
きりがない
少女の玩具は 置いてゆこう
がらくたに 埋もれた
わたしの魂よ いずこへ
たくさんの 荷物を前に
雪の心配ばかり している
冬の美しさを 知りながらも
どうぞ明日は 降らないで
ゆきものがたり
この町で過ごす
さいごのふゆものがたり


自由詩 ふゆものがたり Copyright スイレンユキコ 2006-01-02 22:55:49
notebook Home 戻る