流星群の夜
ベンジャミン

いつからか夢見ることを遠ざけたのは
それが大人になることだと教えられたからではなく

身近な現実を見つめれば
それが大人になることだったからでした



忘れ去られた銀河ステーション

人影はなく
降り積もったちりだけが
時の流れを告げている


毎年同じ頃になると
流星群がおとずれる


星に願いをかけるとき
何処から来て
何処へ向かうかも知れないものに
叶うとも限らない言葉を
声にもせずに呟く

祈りは
その一瞬だけのかたちを見せて
僕はそこに
失くした何かを取り戻そうとする


忘れ去られた銀河ステーション

そこにはそんな言葉が降り積もり
まるで時の砂のように

まるで(まるで)(まるで)


毎年同じ頃になると
おとずれる流星群


いつからか夢見ることを遠ざけた
こんな僕でさえ見ることができる

それは僕が大人になったからなのだけど
まるで子供のように

まるで(まるで)(まるで)


流星群の夜に

夢はいつも
変わらない場所で待ち続けている



      


自由詩 流星群の夜 Copyright ベンジャミン 2006-01-02 22:32:15
notebook Home 戻る