乗車
こめ
俺はどこに向かっている
がたがたなる列車に体をあづけて
どこまで続いているのかわからない線路を
列車はただの鉄の塊となって走っていた
周りを見渡しても誰もいない
どうやら俺一人しかこの列車には乗っていないようだ
窓の外を見てもずっとトンネルがつづいている
この列車はどこに向かっているのだろう
ふとポケットに手を突っ込んでみたら
中になにかはいっていた
それはどうやら乗車券のようだった
しかしその乗車券には行き先は俺の生まれ故郷だった
俺は夢をみて故郷を離れた
しかし結局夢は夢で終わってしまった
故郷には何もかも捨ててきた友達も親も小物も
そして恋人とも・・・
そんな何もかも見捨てた俺なのに
何故今頃帰らないと行けない
なぜそんなところに行く乗車券なんか持っているんだ
泣き崩れ止まってくれと叫んだが
鉄の塊は返事もなくはしっていた
すると突然光が差してきた
そこはに広がっている景色は俺の故郷だった
夕陽が優しく俺を包んでくれた
もうすぐ列車は誰もむかいにきていない駅に着く
俺はそこでまた人生をやり直す
また失敗するかもしれないけどもう覚悟を決めた
必ずせいこうすると自分に言い聞かせ
誰もいない駅で雄叫びをあげた