乗車
こめ

俺はどこに向かっている
がたがたなる列車に体をあづけて
どこまで続いているのかわからない線路を
列車はただの鉄の塊となって走っていた
周りを見渡しても誰もいない
どうやら俺一人しかこの列車には乗っていないようだ
窓の外を見てもずっとトンネルがつづいている
この列車はどこに向かっているのだろう
ふとポケットに手を突っ込んでみたら
中になにかはいっていた
それはどうやら乗車券のようだった
しかしその乗車券には行き先は俺の生まれ故郷だった
俺は夢をみて故郷を離れた
しかし結局夢は夢で終わってしまった
故郷には何もかも捨ててきた友達も親も小物も
そして恋人とも・・・
そんな何もかも見捨てた俺なのに
何故今頃帰らないと行けない
なぜそんなところに行く乗車券なんか持っているんだ
泣き崩れ止まってくれと叫んだが
鉄の塊は返事もなくはしっていた
すると突然光が差してきた
そこはに広がっている景色は俺の故郷だった
夕陽が優しく俺を包んでくれた
もうすぐ列車は誰もむかいにきていない駅に着く
俺はそこでまた人生をやり直す
また失敗するかもしれないけどもう覚悟を決めた
必ずせいこうすると自分に言い聞かせ
誰もいない駅で雄叫びをあげた



自由詩 乗車 Copyright こめ 2006-01-01 12:15:40
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