お化け
太郎冠者

朝、眠る間際
夢のあわい
世界が豊饒している
男の子たちの恋
地下鉄そばの箱は
紫煙と汗で満ちる
僕と少年は
蟻のように
言葉を運び
触覚で互いを
確認する
集積した言葉は
うず高くなって
溢れそうだ
あなたは言うだろう
それは言葉の屑たちだと
あなたは言うだろう
絶望からは逃れられぬと
レゲエに乗って
僕と少年は
せっせと
集める
組み立てる 
くすぐりあう
身体はゆっくりと
ふくらんで
言葉の廃墟でお化けになって


自由詩 お化け Copyright 太郎冠者 2006-01-01 06:06:12
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