フォリナー
夜景

 
きれいな唇が
閉じたり開いたりするのを
ぼんやりと見ていた
たぶん君がなにを言っても僕には解らない、聞こえない
同じ空間にある別の世界に
二人は住んでいる

君は僕を見つめている
僕は君を透明にして
君の向こうの景色をながめている

恋人によくある無様な別れぎわなど
知りたくはないから
言葉の通じないフォリナー
肩をすくめ
困ったそぶりで演じ続けよう

いつか絶望のただなかで
君が吐きだす一言に
僕はどんなにか救われる
さようなら
きれいな唇
僕の見知らぬ







自由詩 フォリナー Copyright 夜景 2005-12-24 22:00:08
notebook Home 戻る