折り鶴
LEO

五十八の石段を
数え終わる頃には
湿気を帯た冷気が
まとわりつく

空が
見え隠れする木立は
小さな欲望が
うごめきを見せるよに
さわさわ
ざわざわと
社の片隅
秘密の場所にも
悪戯な光と影とが

笑みを孕んだ口許は
もの云わず
一枚の紙を手に
器用な細い指で
線をなぞる

辺りは、静かで
その指、艶めいて
折り成す業を
じっと待つ

白い鶴を
差し出す指が
笑いながらも
かすかに振るえるのを
掴まえて

悪戯な光と影とに
戯れる


自由詩 折り鶴 Copyright LEO 2005-12-23 21:12:33
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