君が暮れる
霜天
回らない時計を目の前にして
君が暮れる
寒さを間違えるようにして
マフラーに埋もれて見えなくなる
薄い窓に耳を寄せれば
世界はこんなにもくっきりと
くれる
途方に
あるいは
踵から見えなくなるまで
揃う気もない足跡に
灯す明かりが見当たらない
線が線になっていかない
間違える街角は一瞬で
あの交差点を潜れば
確かな縁取りのラストシーン
笑いも涙も後姿も
思い出せる大きさに
君が、くれる
白いメモ帳に
鮮やかな、言葉、の
繋がるように明かりがもう一度灯ったら
せめてそこから
世界はどれだけくっきり、と