君が暮れる
霜天

回らない時計を目の前にして
君が暮れる
寒さを間違えるようにして
マフラーに埋もれて見えなくなる
薄い窓に耳を寄せれば
世界はこんなにもくっきりと


くれる
途方に
あるいは
踵から見えなくなるまで
揃う気もない足跡に


灯す明かりが見当たらない
線が線になっていかない
間違える街角は一瞬で
あの交差点を潜れば
確かな縁取りのラストシーン
笑いも涙も後姿も
思い出せる大きさに

君が、くれる
白いメモ帳に
鮮やかな、言葉、の
繋がるように明かりがもう一度灯ったら
せめてそこから

世界はどれだけくっきり、と


自由詩 君が暮れる Copyright 霜天 2005-12-22 00:27:56
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