*いのり*
かおる



冬将軍の黒いマントの中
屋台骨に成り果てた木々にも 
白い花が咲くはずで

ほんの少し前まで
華やかに彩られた木々の下に
なぜか タンポポが咲き乱れ
蝶のように舞い踊っていた葉っぱも
木の根っこのお布団に早変わり
サクサクっと
芳ばしい落ち葉踏みしめていた

風が蒼く遠く透き通ってくると
陽射しの柔らかさが
身にしみて
裸樹に安らいでいる小鳥も
少しは暖かなのだろうか

暖冬だと言う予想を大幅に裏切って
あちらこちらで初雪のニュース
事件、災害で揺れるよりは
冬の風物詩で彩られる
年末であることを
双子座流星群のしっぽにでも
祈りたいな


自由詩 *いのり* Copyright かおる 2005-12-21 08:40:18
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