買えないもの
砂木


国語の教科書にのってる詩に
水しぶきをあびせられたように
眼を見開かされた小学時代

宿題にされた詩
初めて書いたのは 鶏頭の花
鶏のとさかみたいだとか 好き放題
五年生から 夏休み 冬休みの研究は詩

ああ なんて幸せだったんだろう
家の中 走り回って 何か書く事はないかって
何もなくて 窓を開けて 夜をみつけた瞬間

夜が 夜に満ちている事が
輝かしくて たまらなかった
朝が 朝陽が まぶしくて 綺麗で

誰にも命令されずに 書くのだ
日本語を学んだ私は 日本語で書くのだが
文字がかけなくなったら 点の組合わせでも
ついに すべてをなくしても 

ただ 詩人にひたすら憧れた
憧れだけが 幸せだから






自由詩 買えないもの Copyright 砂木 2005-12-19 20:41:32
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