遠くにいる
ふるる

遠くにいる人を想っている

列車は夜の手のひらをすべるように過ぎてゆく
舞い落ちる雪はその速度に蹴散らされて
散らされた後たいへん静かになり
静かに舞い落ちて
舞い落ちて
落ちて
落ち

窓辺に積もった雪を見るために
曇りガラスを指でこする
ついでに好きな人の名前を書いては
すぐに消して
消して
消し

透明を取り戻した窓は
街灯の灯りを列車へ招き入れ
薄暗い手元が少し見えるようになり
見えるように
見える
見え

透明を取り戻した窓は
街灯の灯りを部屋へ招き入れ
薄暗い手元は少し見えるようになり
見えるように
見える
見え

列車がまたすべるように過ぎてゆく

遠くにいる人を想っている


自由詩 遠くにいる Copyright ふるる 2005-12-18 23:20:15
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。。。。。恋愛詩っぽい。。。。。。