*夜明け*
かおる



満々と宇宙を讃えていた夜

幾億光年の彼方から
囁きかける水の憶い
暗い蒼に浮かぶ☆の色

やがて
東に紅が
ぽとん

満ちていた夜と浮力が
引いていく 退いていく 
惹いていく 敷いていく 
弾いていく 轢いていく
挽いていく おともなく

小鳥のさえずり
くるんと水の膜に
くるまれて眠っていた街が
乾いていく

宇宙の見ていた水の夢は
海に集約され
運ばれてくる
未来の視線の先に
また新しい朝がきた


自由詩 *夜明け* Copyright かおる 2005-12-13 17:01:55
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