ビューティフル・ビューティフル
北乃ゆき

清清しさが僕の胸を突き抜ける


「青空を見るとどんな時でも幸せになれるの」と
満面の笑みを浮かべる君が好きだった
だから僕はいつも
明日は晴れるようにと祈っていた

陰で泣いても
空をみて笑う君が好きだった
だから僕はいつも
青空が続くようにと祈っていた

君が青空より愛した人は
雨の日も雪の日も風の日も君に笑顔を与えて
僕はもう
晴れの日を祈る必要がなくなってしまった
天気がなんだってかまわない
ただそれだけの事なのに
そんな毎日は
虚しさと物足りなさに溢れていて
でも
雨の日も雪の日も風の日も笑う君が

綺麗で
それまでのどんな君より
綺麗で

僕は
何も言えなかった

ただ

ひっそりと
ひっそりと
ひっそりと

明日晴れるようにと

祈っていたんだ


昨日
とりわけ強く
明日晴れるようにと僕は祈った
今日は君の特別な日だから
白いドレスが汚れないように
薄紅のブーケが濡れないように

君が笑顔でいられるように


今日の空は見事な青空で
高く蒼くどこまでも続いていた
青空に見守られた君は
綺麗で
とても
綺麗で

空が蒼くて
君が綺麗で
それだけで
もう晴れた日を祈らなくても良い事なんて
たいした事がないって思ったんだ

空が蒼くて
君が綺麗で
それだけで
僕は

ビューティフル
ビューティフル


青空の下の君は
とても綺麗で



清清しさが僕の胸を突き抜ける



自由詩 ビューティフル・ビューティフル Copyright 北乃ゆき 2005-12-09 01:45:54
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
童話風味