全力疾走
炭本 樹宏

 近所の子供と久しぶりに全力疾走した
 
 はぁ はぁ はぁ

 寒い夕方白い息が舞いあがっていく

 変な走り方だと言われた

 少し小遣いをやった

 子供はおっさん おっさんとなついてくる

 手加減はしているのだろうが足で蹴りやがる

 少し痛いが孤独の痛さに比べればなんてことない

 小さな街の片隅でこの子の心のアルバムに

 こんな僕でも残るのかと思った

 ある冬の日の出来事だった







自由詩 全力疾走 Copyright 炭本 樹宏 2005-12-06 19:35:25
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