ぼくのひみつ
北乃ゆき

ぼくのままはうちゅうひこうしです
よるつきをみるとぱぱは
「あそこにままがいるよ」とぼくにおしえてくれます
ままはつきでうさぎさんをさがしたり
つきのいしをけんきゅうしたり
つきにすむうちゅうじんとはなしたりと
いろいろなおしごとをしているそうです
ままはうちゅうでたくさんぼうけんをしているみたいで
そのはなしをぱぱからきくのはたのしいです

あさごはんのめだまやきをつくりながら
ぱぱはいつもうちゅうにいるままのはなしをします
はなしにむちゅうになったぱぱはときどきめだまやきをこがしちゃって
ぼくはそれをわらいます
ぱぱはもっとおおごえでわらいます
ぱぱとままのはなしをするぼくのあさは
とてもあかるくたのしいあさです

うちゅうひこうしのおしごとはとてもたいへんで
ままはなかなかうちにかえってこれないそうです
これからつきをこえてかせい、もくせい、すいせい、
それからいろんなほしにいかなきゃならないので
ままはぼくがおとなになるまでちきゅうにもどれないそうです
まえみたいにままがそばにいないのはとてもさみしいけれど
いつもぱぱがうちゅうでかつやくするままのはなしをしてくれるので
ぼくはさみしくありません

このあいだべっどでうちゅうひこうしのはなしをするぱぱが
きゅうになにもいわなくなりました
ぼくはなんとなくねたふりをしました
ぱぱはだまってでんきをけして
そのままいっしょにねむりました
ずっとままといっしょにねていたけれど
さいきんはずっとぱぱといっしょです




もしも
ぼくがおとなになっても
ままがかえってこなかったとしても
ぱぱがいるから
もうぼくはさみしくないよ

まっくらなへやのなかでぼくはおもいました


あしたのあさごはんのときは
つきのうさぎのはなしじゃなくて
ようちえんにあたらしくきた
うさぎさんのはなしをしようかな

まっくらなへやのなかでぼくはおもいました



自由詩 ぼくのひみつ Copyright 北乃ゆき 2005-12-06 02:22:58
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