あたしを見せて
とびまる。

あなたの中に
あたしのかけらはあるのかしら
あなたはあたしから
たくさんのものたちを持っていった
はずなのに
あんなにもたくさんの
あたしの中の
ほとんどのものたちを持っていった
はずなのに
あなたの中の
どこにあたしがいるのかしら

あなたはそんなことない
どこにでも君がいるよとあたしに言う
だけどあたしは
あなたの中のあたしを見つけられない
ねえ
もっとあなたの中のあたしを
はっきりと見せて
あなたの中には
あたししかいないというのを
見せつけてほしいの

それができないのなら
あたしの中のあなたを
放り出してしまおうかしら
あたしはあなたに
それを言ってしまおうかしらと
あたしの中のあなたに
聞いてみるの
だけど
あたしの中のあなたの答えは
いつも
そんなことする必要ないさ
僕は何時だってここにいるじゃないか
そればかりをあたしに言う

そうね
あたしの中のあなたは
理想的なあなたなのに
ねえ
あなたの中のあたしも
あなたにとっての
理想的なあたしになっているのかしら

もちろんだよと言ってくれたら
あたしは素直に喜ぶことに
してみようかしら
だってそれがあなたの中のあたしに
近づく術だから

ねえ
あたしはあなたの中のあたしに
もっと近づきたいの
だからあなたの中のあたしを
あたしに見せてください
たくさん見せつけてください


自由詩 あたしを見せて Copyright とびまる。 2005-12-04 23:10:59
notebook Home 戻る