さよなら
りぃ

ずっと捨てられずにいた宝物を
今日捨てに行きます
思い出したくない過去を捨てるのではなく
これから続く道を歩くために
荷物を軽くしなくてはいけないのです

容量の小さな私の鞄には
入りきらない想い出のほんの一欠けらを
そろそろ手放さなくてはなりません

この旅の途中
何度も何度もこの宝物を取り出しては
思い出しては
思いきり泣いてしまったことを
そのことを思い出して

私は今日もこの道を歩きながら
道端に転がった新しい宝物を
探しに行きます

だから

どうか、私のことは
探さないで下さい。


自由詩 さよなら Copyright りぃ 2004-01-17 11:57:06
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