LU-CY CHANNCEE
本木はじめ

イェイ、イェイ、ぼくらはルーシーチャンスだ
イェイ、イェイ、今こそぼくらはルーシーチャンスさ
                
                  マーカス・サンディソン
                 『ルーシーチャンスと言う名の森で』





赤色が好きなあなたを想いつつ郵便ポストを抱きしめている


きみの脚きれいだね込み上げてくる青いさくらの花びら


ゲイジュツを手放しなさいきらきらとあなたの寝グセにきらめく朝陽


顔色が悪いときみは言うけれど「まるで青空みたい」って、ねぇ


映画館の闇のようだねあなたの手にぎればわたしの物語が鳴る


台風を育てているのと言いながら微かな風に餌をやるきみ


真夜中の横断歩道に横たわるぼくらの知らないひとたちの為


ふりそそぐあなたの声を浴びながら閉じればひらく扉の先へ


舐め飽きた雨が静かに降る夜明けぼくらはもう新鮮にはなれない


わたしたちまるで煙草の吸殻のように何かを失った朝


みかくにん彼と彼女が待つゆえに別れなければならないぼくら


もうきみにもうあなたには会えないと思い込んでるわたしはあなた?


明日はまた誰かの昨日であるだろう見えないパズルは燃やしてしまへ


今日もまた意識不明のわたしたちルーシーチャンスと言う名の森で


すべての恋、すべての恋人たちの恋、いずれ仔猫も鳴き止むだろう


傷口はいつしか消えてしまうからひかりの速さで迎えにきてね





短歌 LU-CY CHANNCEE Copyright 本木はじめ 2005-12-01 20:20:26
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