午前5時はまぼろしのように
nm6




日が昇って
息を延長してとどきそうな空は
その端を薄ピンク色にふるわせ
面倒を散らかしたまま押しやってしまう

力の限り力を抜いて
今日だか明日だかわからない日の午後からの
予定をなぞる
異星人のようなふりをして

ぼくらがいつも気づかずに通り過ぎる
午前5時はまぼろしのように
小さな鳥が
世界ということばを知らないまま話す

日が昇る
息を延長すれば空にとどくのか
きびしさを軽く身にまとい
いつか忘れてしまうことを常としている


自由詩 午前5時はまぼろしのように Copyright nm6 2005-11-30 03:58:07
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