縁側で
なな子

きらきらを無くすのなんか かんたん
全部あたしのものと思えばいい

髪撫でる風も
風の運ぶ香りも
暖かい日射しでさえも 全部

そうしてあたしは雛鳥のように
口をあけてこう言えばいい
もっと!もっと!もっと!もっと!

きらきらを無くすのなんか かんたん
全部あたしのものと思えばいい

あたしを呼ぶ声も
あたたかい手のひらも
すこし掠れるその声も 全部

あたしは道ばたに寝転んで
足をばたつかせて聞けばいい
なんで?なんで?なんで?なんで?

見て たちまちに世界は
色を無くして 灰色になる。





あたしはこうして縁側で
お日様に当たってただ思う
あたしは何にも持っていない
何にも持っていない しあわせを

爪を照らす日射し
鳥の背中の匂い
あなたのいれてくれるコーヒー
すべてが すべてが

あたしに与えられる しあわせを


自由詩 縁側で Copyright なな子 2005-11-29 11:16:55
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