もう神様のためにしか歌わない
ZUZU

まちのしろすぎるまがりかど
生成りのきせつののりしろに
ひざをかかえて
ゆきかうひとを見ている

デパートの屋上から
しずかにピアノが落ちてきた
うまく音が出せなかったせいだろう
ひとはくもの子のように散った

ことばはメロディ
きみにむけていつも歌っていただけだった
でもね とか あのさ とか

歌いきってしまうことは
泣きはててしまうこと
あとにのこるものは何もない




自由詩 もう神様のためにしか歌わない Copyright ZUZU 2005-11-19 15:35:32
notebook Home 戻る