破壊ランナー
あおば



裸足で駆けるランナー
長い距離は無理だけど
と思ったら
ローマ五輪で優勝
石畳みの道を裸足で駆ける
アベベ・ビキラ選手の晴れ姿

バルーンタイヤと呼ばれた
陸王750cc車の太いタイヤ
といっても
5.00−16だから
太いタイヤに馴れた
今の人にはたいしたことには感じないでしょう
そのバルーンタイヤが石畳みの道を走ってく
後輪リジットだから、ホイールトラベルはゼロだけど
サスペンションに起因するホイールバランスの変動が無くて
安定に走るのだと、言われた

そんな車でジャンプされたら、道路に穴が開いたりして
困るでしょう

困るも困らないも無理してジャンプしようとしないのだから
どうしても必要な時以外はジャンプしないのだから
穴が開くなんて

破壊するのが目的でなく
走るのが目的であった時代には
少し太いだけで
バルーンタイヤと呼ばれた

タイヤ太い
もっと太くなりたいと言いながら
木の下で雨宿りしている
茸さん
晴れたら遊びにおいで
石畳みのヒーローが
嬉しそうに跳ねていった







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初出「poenique」の「即興ゴルコンダ」(2005/11/16)




自由詩 破壊ランナー Copyright あおば 2005-11-19 00:19:54
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