たーんあっぷ
仲本いすら


もう下校時刻だと言うのに
未だに君は
鉄棒と
対峙して

地面を 蹴る 蹴る

この歳になって
逆上がりもできないのかよ、と
馬鹿にされたのが
悔しかったのかな

それとも
無性に 地球の上で
悪あがきのように
重力を 無視してみたかったのか

地面を 蹴る 蹴る

アナウンスで
あのドギツイ生徒会長が
そろそろ 還れよと
愚痴をこぼしても

やめようとなんて
しなかったね

惜しいところまで
あがるのに
なぜかいつも
途中で戻ってきてしまう

地面を 蹴る 蹴る

戻ってきちゃうってことはさ
君はちゃんと
この地球にいて
重力に引かれて
ここに
きちんと
いるってことなんだからさ

いいじゃないの
そのままで

地面を 蹴る 蹴る

その 悔しい気持ち
忘れないで いてね。



自由詩 たーんあっぷ Copyright 仲本いすら 2005-11-18 21:41:27
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