墜落
いとう

信じるものは
必ず裏切る
その
摂理を許しながら
壊れたものは
壊れたまま流される

暗闇が
暗闇のまま発光するように
欠けたものは
その空虚を慈しむ
欠落は甘い
それを知るものなら
なおさら甘い

発熱する朝に
鳥が墜ちて
甘い屍を貪る
魂は死んだ
魂はすでに壊れて
流された痕跡が
生きている



未詩・独白 墜落 Copyright いとう 2005-11-16 00:09:22
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