カラ
銀猫


不意に訪れる眩暈のなかで
わたしの奥から
声 でも うた でもない 音 がする

無意識に産み落とした空のタマゴは
曇りの日に次々と孵化し
電子の情報に
右脳と神経を肥大させては
遺伝子の情報を拒み続ける

くらり
背景はまた少し揺れた

先代に見えていた星は
既に星座のかたちを放棄している

不意を突かれた腹腔のなかで
夜の不穏は
心音 でも 呼吸 でもない 生命 を崇拝する

無防備な殻のタマゴは
歴史を放棄し
今日を削除し
骨伝導のニュースと株価に
体温を上昇させる

どくり
体液は循環した

ニューエイジに見える星は
名前をとっくに放棄している から


自由詩 カラ Copyright 銀猫 2005-11-15 18:21:34
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