「Kyoto」
馬野ミキ

父が酒乱で母に暴力を振るっていたのを憶えている
母は父に怯えていた
父はしらふの時には優しい人だったので俺としてはどっちやねん!という感じで安定した心地がなかった
熱が出ている時に父が甘えているだけだということで看病がなかった そのとき父と母は寅さんを観ていた 弟は赤ちゃんなので寝ていた
夜寝ぼけて階段の上から小便をしたら父がお前の教育が悪いのだと母を蹴っていた
便所の前にアメリカザリガニと蛙と亀という兎に角有り得ない三種類が並んでいたので父に報告したところそういう事はよくあるのだと言われた
競馬でよくはずすので残念だった 勝ったら玩具を買ってくれる約束だったのだが
よくタクシーに乗った
映画村に行く自転車を二人乗りで行く途中俺が足を自転車の後輪に挟んで血が出たので帰った
弟が熱湯を浴びた
よく阪急電車に乗った
よく嵐山にいった
よく桂川にいった
母の作った服を着ていた
母はどこにいるんだかわからなかった
俺は父は自転車屋をしていると同級生に嘘をついた
なぜA組とB組は暴力的なのかが分からない
小学一年から不良はショートパンツにネームをつけた
自転車に乗っていると上田馬乃助の娘と女子軍団が石を投げてきた
よく父と虫を取りに行った
ある神社で白い綺麗な蝉のさなぎを取ろうとしている少年たちに「それはまださなぎだから取ってはいけない」と注意した父は少年たちがどっかに行ったあとに俺にとらせた
百貨店で千二百円のミヤマクワガタを買った 弱っていてすぐ死んだので標本にした 弱っているミヤマクワガタを千二百円で売っている大人たちは信じられないし それを欲しがる俺はどうなんだろう 弱っているって知っていたのに、すぐ死んだので泣いたりした
標本を2ダース作った 本格的すぎるのでクラスメイトがこれは大和君が作ったものではなく買ったものだと言っていた 
あほだ
近所の子のお父さんのアコードにのって雪山に言ったときに峠で他の車と衝突して相手が悪かったらしく石田君のお父さんが怒っていたのが怖かった
石田くんはお金持ちで銀河鉄道000から999まで持っていた
どろろん閻魔くんごっこの時にゆき子姫を志願した
学校の休憩の5分か10分間にそれぞれ違う用件で3人と喧嘩をした
喧嘩の時に髪の毛をひっばるばかりの奴がいてすごく面倒
すきな女の子に今から喧嘩するから見てと言って喧嘩をした
すきな女の子に今から変身するからみてと言って変身した
近所の子が俺のノコギリクワガタを盗んだ 背中の羽根のカバーのところに傷があったやつだったからすぐ分かった 全員が大介の味方をしたというか弟もその場にいたというのが残念
幼稚園の時知っている子が次の日死んでいた 排水溝だかで死んだと先生が言っていた不思議だ そのあとお遊戯をしたり転がって寝たりした
父に俺と同じ大きさのウルトラマンを作ってもらった
父は紙で馬を作って競馬場ゲームをしていた
父が保健所にお金を払いに行くと言ってパチンコ台を買って帰ってきたので母が可愛そうだった
父が稲刈りが終った田んぼで隣の家の犬と喧嘩していた 家族でそれを見ていた
幼稚園に年長から入った
はじめて先生に会うときにはっぱをあげた
ブランコに乗れないので運動神経が悪いというようなことを先生言われたようで父も母も怒ってた
いじめっ子といじめられっ子双方から話をきいてそれぞれに「うん」と相槌をうったら次の日からその子らは仲間になっていて 俺は両方にうまいことをいう二枚舌ということになったようで仲間はずれになった
すきな女の子たちと一緒に風呂に入ったっていうか幼稚園全員で入った
隣の家の昔知らない子どもがいたっぽい部屋に勝手に入ってブロックで遊んでいた
遊んでいるとそこの家の美人っぽいおばさんが紅茶やお菓子を持ってきてくれた
向かいの家が親切心でガレージに犬の餌をおいていて 父はプライドを傷つけられらしく怒鳴り込みに行こうとするのを母が止めていてとても難儀だ 
向かいの家はコリーでうちはよくわからない怪我をした犬だった 
知ってる子が火事で死んだ 
自転車でうろうろしていたら、公園に本当に生きている顔のある木があったので逃げた


自由詩 「Kyoto」 Copyright 馬野ミキ 2005-11-14 05:08:42
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