地球儀
相馬四弦

空には穴が開いている

誰かがこっそり覗いてる

交差点の真ん中に

するりと垂れた縄梯子

かばんを置いて昇ってく

初夏正午の花時計

白い帽子のカフェテラス

モノレールライン 横切るツバメ

だんだん小さくなってゆく

見えなくなって地図になる

知らない君に逢いにゆく

心が透けて陽に踊る

風に混ざって雲になる

いつしか穴は宵に溶け

ぽたりと墜ちる 一粒の雨


自由詩 地球儀 Copyright 相馬四弦 2005-11-12 17:57:27
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