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こちら側
正義とされる
味方と呼ばれる
存在

あちら側
悪とされる
敵と呼ばれる
存在

新しさに
驚きと満足感を
発展と充足感を
興奮と正義感を
覚える

そのうち
その
裏へ 裏へ
頭が
動き出す

ある者は
己が理想のため
ある者は
己が理由のため
ある者は
己が私利私欲のため
ある者は
己が義務のため

だからこそ
互いが
負けられず
互いが
実体が掴めぬ勝利の渇望を

一つの枠組み と 一つの枠組み
その中の
存在 と 存在
思われていたものが
ずれ始め
もう一つの枠組み が
顔を出し
存在たちを
ゆっくりと包んでゆく

正義の裏の

悪の裏の
理想
理想の裏の
正義

真実は狭く
また
広い
一つの枠組み の
中での 互いの
存在
社会の
時代の
世界の
犠牲者

満足感は
消えず
充足感は
消えず
寂寥感は
もっと もっと
消えず
哀しみが突き刺さり
現実がのしかかる

加害者 に
釈然とせず
被害者 に
釈然とせず
犠牲者 に
結論を

当事者
それだけでこの想い
そして
経験が無くとも
忌み嫌うべきもの
その念いが生まれる



自由詩Copyright FUBAR 2005-11-11 17:49:41
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