九官鳥
あおば



ながい
ながぁーい
長すぎる
蛇と言ったのは
ルナールの「博物誌」

心をこめて
仏様を彫る
金剛仏を
金剛石で穿ちます
大きな石を掘ってきて
大きな槌で穿ちます
こんと鳴って
こちんと喚く
朝から晩まで
こんかちこんかち

1年経ったら
顔が出る
2年経ったら
足が出て
彫り上がるまで
立ちんぼうでも我慢する
待ち草臥れて歳をとるわと
お月さま
裏のお庭でひと休み

九官鳥と仲好しだ
かんちゃん
きゅうちゃん
唐変木の
3人並んで月を見る

横丁から

冷たい目をして
見ないふり

長い目をした
三日月が
友達集めて
餅搗いて
夜の間に
食べちゃった

欲張り
お喋り
九官鳥
腹が空いたと
使いを寄こす





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作2005/08/23


未詩・独白 九官鳥 Copyright あおば 2005-11-10 12:55:59
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