未完の涙
こしごえ

枯れ落ちる
葉の上に声を震わせて
蒸散することのない深さ

やがて機能しなくなるであろう涙の透けた色に眩暈して

ああ雨の夜の崩れゆく慟哭どうこく
スローモーションの叫ぶ先に
絶望を吸った土をおおう雪の結晶
の欠片

季節に染まる
涙の味を忘れるくらい時間が
かわけば
私は白く降ることができよう




自由詩 未完の涙 Copyright こしごえ 2005-11-07 10:48:26
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