もしも私が人魚なら
umineko

人になった人魚は毎夜
海を見て泣くという

そうだろうか

脱ぎ捨てた過去には
もう2度と
袖を通すことはない

どんなに
やさしくあろうとも

もしも
私が人魚なら
防波堤に腰かけて

裸足で
波をちゃぷちゃぷさせながら
こんなふうに言うだろう

傷つけながら
私は生きる

運命なんて信じない






自由詩 もしも私が人魚なら Copyright umineko 2005-11-06 08:47:36
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