海鳴り
umineko

やり残したことはありませんか と
問われたらなんて答えよう
みんな
どこに帰るのだろう

ふるさとはもう
名前も奪われて
体育館ばかりがきれいになる

過去は
ただのおとぎ話で
すり切れるほど聞きすぎた
レコード みたいに

人に帰るのは
暖かいけど危険
その人を失えば それまで


だから
私は未来に帰る
真っ白な
砂の上に着地する

私しかいない場所
その場所で

ごめんなさいって
あなたに 言う


どこからか
海鳴りのする場所で
私は

もう人にはもどらない





自由詩 海鳴り Copyright umineko 2005-11-05 10:48:33
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