それがもし詩という何かであるならば
小池房枝
紙に書いてください
書けるものならば紙に書いて
紙に書いたそれを見せてください
世界を
モニターの向こうにまで感じるとるためには
第六感まで動員しても
なお追いつかないような想像力が必要で
普段の五感さえ足りてない気味の私にとっては
そこに本当に人がいるのかどうかさえ覚束ないのです
ですから
紙に書いてください
昼間、ポケットに入れておけるように
夜一人、月明かりの中でもたどれるように
明け方、燃えるゴミに出してしまえるように
もしも、次の人に手渡せるように
折りたたんで