それがもし詩という何かであるならば
小池房枝

紙に書いてください
書けるものならば紙に書いて
紙に書いたそれを見せてください

世界を
モニターの向こうにまで感じるとるためには
第六感まで動員しても
なお追いつかないような想像力が必要で

普段の五感さえ足りてない気味の私にとっては
そこに本当に人がいるのかどうかさえ覚束ないのです

ですから
紙に書いてください

昼間、ポケットに入れておけるように
夜一人、月明かりの中でもたどれるように
明け方、燃えるゴミに出してしまえるように
もしも、次の人に手渡せるように

折りたたんで


自由詩 それがもし詩という何かであるならば Copyright 小池房枝 2004-01-11 16:17:05
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