風と光
こむ

風に向かって 立つ          風に向かうと
風の音に 耳かたむける        それはもう ずぶぬれで
ここを知り              飛ばされないよう 
肯定するために            匍匐前進                 

風に向かって 歩く          汗と 涙と 
私を知り               鼻水と よだれで
知らない私に             汚れ果てた顔で
なるために
                   光に向かうと
光に向かう              目が開けていられなくて
光の色に               立ったままの
目をこらす              あきめくら
                   あちこち ぶつけて
ここを 感じるために         からだは もう 傷だらけ

陰に 背を向ける           陰は どこからでも
陰は もう 充分に見た        染み出してくる
                   光の中でさえ
ああ 風と光
                   ほうりなげたものは
私は ほうりなげる          どこかの 
                   みえないすみっこに           
きっと 誰かが            ころがりこんで
うけとってくれる           誰にも 届かない


自由詩 風と光 Copyright こむ 2005-11-03 00:46:35
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