海の鼓動
イオ

瞼(まぶた)を閉じ
安らぎに抱かれ
ゆっくりと
ゆっくりと
呼吸する

やわらかく息を吐き
おだやかに息を吸う
くりかえし
くりかえし

やわらかく
おだやかに
息を吐き
息を吸う
その音が
潮騒に聞こえる

止まることのない
波の
引いては
かえす
それと同じ
海がわたしの中で
生きている


ここに海はいたのか
わたしがいかに一人で歩こうと
わたしがいかに一人で泣こうと
寒がっていようと
ここに
いてくれたのか

ゆっくりと
息を吐き
息を吸う度に
海の鼓動を感じる

わたしが孤独に苛(さいな)まれていても
海は
ずっとここにいたのか


050627


自由詩 海の鼓動 Copyright イオ 2005-11-02 11:41:53
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