新雪
沢村 俊輔



新雪が積もっている
よく見ると
小さな穴が
点々と続いている

それは
子供が通った足跡
ぼくは外へ出て
子供の足跡を
上から踏んでみた
ざく
冷たい空間を
ざく
音が走りぬけていく
子供の足跡は
ぼくの足跡に変わっていた

ぼくの何気ない行動は
子供の
足跡を消し
存在を消し
未来を消していた


自由詩 新雪 Copyright 沢村 俊輔 2005-10-29 08:36:41
notebook Home 戻る